2019年4月1日、新元号は「令和」と発表されました。

2019年5月1日から元号が「令和」になります。

この「令和」という元号ですが、過去初めて漢籍ではなく日本の書物である『万葉集』が出典となりました。

しかしその「令和」の出典となった『万葉集』の歌の元ネタとなった中国の詩があるのではないかと話題になっています。

今回は新元号「令和」の出典についてです。




「令和」の出典は『万葉集』?

『万葉集』は日本最古の和歌集であり、奈良時代に成立しました。

天皇や貴族だけでなく、防人や一般庶民の歌なども収録されています。

今回新元号「令和」の出典とされるのは『万葉集』巻五の「梅花謌卅二首并序(梅花の歌 三十二首、并せて序)」にある一文

「初春の月にして、気淑く風ぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後の香を薫らす」

からです。

『万葉集』の漢字は日本語を表記するためだけに使われた、意味を持たない漢字である「万葉仮名」が多いことが今まで元号の出典として使われなかった理由の一つとされています。

もちろん漢籍を出典にすることが伝統となっていたという理由もありますが。

さて、この「令和」の出典である『万葉集』の歌には元ネタがあるというのは本当でしょうか?



「令和」の出典は『万葉集』じゃなくて張衡の詩?

実はこの「令和」の出典とされた『万葉集』巻五の梅花の歌 三十二首の歌自体は『文選』巻十五記載の張衡(78年~139年)による「帰田賦」の句

「於是仲春月時氣淸原隰鬱茂百草滋榮」

を踏まえているとされています。

張衡は天文学者や数学者、地理学者としても実績を残した中国の万能人とも呼べる人物です。

また、件の『万葉集』の歌は書道史上最も有名な作品である王羲之(303年~361年)の『蘭亭序』の影響も受けているとのこと。

つまり「令和」の出典とされる『万葉集』の歌は元をたどれば漢籍といってもいいです。

とはいえ「初春の月にして、気淑く風ぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後の香を薫らす」という一文が『万葉集』にあるのは事実です。

そもそも当時の日本文化は中国の影響がかなり強く、貴族など教養が必要な人はほぼ中国の古典に触れてきたといっていいでしょう。

このように過去の作品が後世の作品に影響を与えることはまったく珍しいことではありません。今風に言うと「パロディ」ともいえるでしょうか。

新元号「令和」を候補から選んだ有識者たちはともかく、この元号を提案した人が『文選』や『蘭亭序』を知らないということはあり得ません。

日本の書物を初めて出典にしたものの、その歌は伝統に沿った漢籍由来であるというのは絶妙のバランスではないでしょうか?

まとめ

「令和」の出典とされる『万葉集』の歌は『文選』収録の張衡による「帰田賦」、王羲之の『蘭亭序』の影響を受けたものです。

漢字自体が中国で作られたもので作られたことも考えると、完全に日本国産の古典を出典にするというのは難しいと思います。

個人的には「令和」という元号はそれほど悪くないと思っています。

平成が終わり、令和になります。

新しい時代がよい時代になることを祈りたいです。

「令和」(新元号)はダサい?かっこ悪い?評判はどう?