最近はJリーグジャッジリプレイなどの影響か、SNS上などでもよく見ることになった「DOGSO」という言葉。
しかし、サッカーのルールにそれほど詳しくない人は、何のことなのかわからないのではないでしょうか?
今回はDOGSOについて解説します。
DOGSO(ドグソ)とは?
DOGSO(ドグソ)とは「Denying an Obvious Goal Scoring Opportunity」の略です。日本語にすると「決定的な得点機会の阻止」となります。
要するに、ゴールキーパーと1VS1になりそうな状況などの、「決定的な得点機会」をファールで阻止した場合、「DOGSO」になります。
そして、この「DOGSO」にあたるファールをした選手には、原則としてレッドカードが提示されます。
サッカーをあまり見ない人は、一発退場になるようなプレーといえば、後ろからのスライディングといった非常に危険なプレーや相手を殴るなどの暴力行為を思い起こす人が多いと思います。
しかし、この「DOGSO」については、ファールの悪質性などは関係ありません。ファールによって「決定的な得点機会を阻止した」のであれば原則として一発退場となります。
「DOGSO」には4つの要件があり、これを全て満たした場合「DOGSO」になります。
DOGSO(ドグソ)の4要件とは?
ではDOGSOの4要件とな何なのでしょうか?具体的に見ていきましょう。
ゴールとの距離
まずはゴールとの距離。
具体的な距離は決まっていないのですが、距離が近ければDOGSOの要件を満たしやすくなります。目安としてはペナルティエリア付近。
ただ、独走している場合などは距離が遠くてもこの要件を満たすと判断されることがあります。
ゴールとの方向
プレーの方向がゴールに向かっているかという点です。
プレー全体的がゴールに向かっているかどうかがポイントです。例えばクロスを上げるためサイドに走り込んでいる場合などは、プレー全体がゴールに向かっているとは言えないのでDOGSOの適用外になります。
守備側競技者の位置と数
守備側競技者がボールにプレイできる位置にいるか、人数が足りているかも要件の一つ。
簡単に言うと、守備側が極端に不利な状況です。
ボールをコントロールできる可能性
ファールがなかった場合に攻撃側がボールをコントロールできるかどうかも重要になってきます。
例えば、トラップミスでボールをコントロールできていない場合や、ボールが高い位置にあってコントロールできるかが不明な場合は「ボールをコントロールできる」とはいえないので、DOGSOの適用外。
DOGSOの4要件についてはこの動画も参考になります。
DOGSO(ドグソ)とSPA(スパ)の違いは?
DOGSO(ドグソ)と似たような言葉にSPA(スパ)があります。
SPAは「Stop a Promising Attack」の略で、「大きなチャンスの阻止」という意味です。
これは前述のDOGSOの4要件のうち、どれかを満たしていないケースがSPAと判断されます。
DOGSOは原則としてレッドカードですが、SPAの場合は原則としてイエローカードが提示されます。
DOGSO(ドグソ)で一発退場にならないケースは?
この記事の最初に「DOGSOにあたるファールをした選手には、原則としてレッドカードが提示されます」と説明しました。原則があるということは例外もあるということになります。要するに、DOGSOでも退場にならないパターンですね。このケースについて説明します。
まずは主審がアドバンテージを取った場合。
これはそもそも「決定的な得点機会を阻止」できていないので当然ですね。この場合はレッドカードではなくイエローカードが提示されます。
具体的にはこの動画の2つ目のケースがわかりやすいでしょう。アドバンテージを取って得点を認めた上でイエローカードが出されています。
次はペナルティエリア内でのDOGSOです。
理由としては、レッドカードにしてしまうと「PK」「退場」「次節出場停止」というあまりにも重すぎる三重罰(トリプルパニッシュメント)となってしまうからです。
例えば、ボールにプレイしようとしてスライディングしたら相手の足が思ったよりも速く、引っ掛けてしまった場合はDOGSOでもイエローカードになります。「PK」という罰を受ける以上、レッドは厳しすぎるという意見が多く、罰を緩和するルールがあります。
具体的にはこういうケース。ペナルティエリア内でボールにプレイしているのでレッドではなく、イエローカードが提示されます。ペナルティエリアの外だったらレッドです。
しかし、ペナルティエリア内でのDOGSOでも一発退場になるケースもあります。
DOGSO(ドグソ)で三重罰になる条件は?
DOGSO(ドグソ)で三重罰になるのは「ボールにプレイしていない」場合。
ボールにプレイしようという意図がないファールの場合はペナルティエリア内のDOGSOでもレッドカードが提示されます。「PK」「退場」「次節出場停止」の三重罰!
この2番目のケースは比較的わかりやすいでしょう。
手で相手を倒す、ユニフォームを引っ張るといった行為は「ボールにプレイしていない」ので三重罰が適用されます。ゴールキーパー以外のプレイヤーが手でシュートを止めるのも三重罰です。ロシアワールドカップでコロンビアの選手が開始早々退場になったのはこのケース。
もちろん、ペナルティエリアの中だろうが外だろうが退場になるようなプレーは言うまでもありません。
ちなみに、ペナルティエリア内でのSPAはノーカードです。「PK」という罰はそれほど重いということですね。
まとめ
今回はDOGSOとSPAについて説明しました。
要するに、決定的な得点機会を阻止したら一発退場と覚えておけば大体OK。ペナルティエリアの中のDOGSOは原則イエローだけど、ボールにプレイしていなかったらレッドです。
ただ、DOGSOの4要件を満たしているかの判断は難しく、審判次第という面があります。JリーグジャッジリプレイでもDOGSOの要件を満たしているかの案件は非常に多いですし、揉めやすい部分です。
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